2013年09月07日

議事録をPCで書く、のはダメですか?

 研修にいってきました。ある公益社団法人が行っている研修で、この修了証があることが民間事業の責任者には必要です。別に関係のない人も、お金を払えば受講できる、というもので、私は、様々な勉強の意味で行ってきました。そこで素朴な疑問がわきました。朝、会場に到着して、まず受講票を受付に出しました。すると・・・▼
「本日は、座席が決まっていますので、この番号お席におつきください」と言われました。私は、そこで、「PCを使いたいのですが、電源の近くの席も可能ですか」と聞くと、「○○省の指示により、席を替わることはできません。また、PCは禁止です。携帯もすべて電源を切っていただくという、ルールなんです」とのこと。

PCを開くとメールを見る人がいる人もいますから、とか、PCを開くと周囲の人の気が散るから、とかPCをたたく音が他の人に迷惑だから、等との理由を説明されました。

私が、仕事を少し説明し、仕事がら議事録をとりたいのだと伝えたところ、上司に確認するとのことでしたが、やはりだめ。その時の理由は、詳細な教科書を配っているから議事録をとる必要がない。また、書きたければ、教科書にメモをすればいい。そして過去のアンケートからPCは迷惑だと書いた人がいた。この3つを告げられました。

また議事録を書きたければ、紙に書いたものを、休憩時間やほかの時間を使ってPCに書けばいいでしょう、と。また、本人がずっと研修を受けているかを確認するために、席移動はだめとのことで、実際、一日の最後に、修了証のようなものは、座席に配布されました。

 そこで、いくつか素朴な疑問が。


教科書に詳細が書いてあるからそれで十分で議事録を書く必要がない、ということであれば、研修そのものに付加価値が低いということになり、教科書を配布して、読ませ、テストするほうがいいのではないか。

紙にメモをすることとデジタルで記録することの違い。後日検索可能、ということはどう理解するか。

一度紙で書き、他の時間でPCに入力をするようにというのは、時間の無駄、となることもあるのではないか。

PCや他のIT機器で議事録をとりたい人がいたら、後ろの一角を、使う人の席にするなど試みてはどうか。

参加証(はがき)の本人確認を一切せず、座席移動不可は、本当に、意図にあっているのか。

席の指定をしているが、研修会場内には係員がいない状態での1日研修。これだと1時間目と最後の授業だけに出席して、真ん中数時間いなくても、多分わからない。会場内に係り員不在でいいのか。

携帯の電源を切るとの事だったので、私は1日切っていたが、司会は電源を切るようにという指示はしなかったために、実際は、研修中に、私の周りだけでも3人が携帯でメールのやり取りをしていた。

そもそも、私の周りだけで10人の人が、ぐっすり眠っていて、研修を聞いている様子なし。

・・・・多分、私ほど、この研修の内容を面白がって、たくさんのメモをとった人はいなかっただろうと思うのですが、同時に運営には、様々な疑問がわいてきます。彼らは彼らの習慣で行動しているのですから、批判するつもりは毛頭ありませんが、私たちは、日常でやっていることに、いつどんな風に疑問をもち、自ら改良するのかって、とても大切ですね。だから、こういう体験をすると、どこから改革・改良していくのがいいのかなあ、と考え始めるのが、私の性分です。

たとえば、IT化の時代になり、労働時間を短縮するという課題もある中、責任者研修を受けるレベルの人たちに「授業中メールを見るかもしれないから」ということでPCを禁止するのは、幼稚な考えではないか、ともいえるでしょう。PCをたたく音が嫌だという人は、確かにいると思うので、それは、一角を設ける、という方法がある気がします。

大学の授業でも、大学院の授業でも、PCを開いて、議事録(ノート)をとるのは、もう一般的だと思うし、私は、ほとんどすべての審議会でも役員会でも、常に、PCを開いて、議事録をとっている毎日です。また、ネットにつながっていれば、聞いている最中に疑問がわけば、その情報、法律、単語などを、ネットで調べながら授業を聞くことができます。それでより理解が深まったり、具体的な質問をすることができる、という利点も大きいです。

責任者研修で、「その席に座っていること」が、証書配布も含めて重要というのも、どうなのかなあ。確かに、最後に名前を呼んで配布するより短時間でしょう。今回は、「今までのアンケートで、どうしても17時に終了してほしいという声がありましたので」とのことでしたが、ちょっとびっくりしたのは、その配布の仕方。

なんと、最後の授業の最中に! 係りの人が、何も言わずに、授業を受けている人たちの机の上に、修了証を配布していくといったのです。先生も、僕の授業中に係りの人が配りに来ますが、関係なく授業を続けますから、と。私にとっては初めての方法。

これって、○○省のルールで研修は17時までと決まっているが、そのあと出口で配布すると職員の労働時間が長くなるから時間内に、ってことだったりしないのだろうか。だって、授業中に一瞬メールを見るのもダメだからPCはだめ、などと言っている事務局が、授業中に歩きまわって、座席に証書を配るなんて、そちらのほうが気が散ると思うんだけど。などと、疑問がいっぱい。それに、まだ最後の授業中なんですよ。厳密には、修了していないし、そもそも座席に配布しているのであって、受講している人に配布してない(笑)。

まあ、とにかく、いろいろ学び、いろいろ考え、実りある1日でした。自分を成長させるには、常に、自分がやっていることの意味、意図、成果、改良方法を考えることが大切だな、と自分に言い聞かせるいい機会となりました。



















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